2017年に東京23区、武蔵野市、三鷹市のタクシー初乗り運賃が410円に変更されてから1年以上が経ちました。
運賃変更前と後で、タクシー会社やタクシードライバーの収入がどのように変化したか、テレビ・新聞など報道でご覧になった方も多いでしょう。
初乗り運賃が410円になったことで「ちょい乗り」需要は高まりましたが、果たしてタクシードライバーの収入はどのようになったのか。
実は、エリアによって明確に「稼ぎやすくなった」「稼ぎにくくなった」という差が出ています。
地元客の利用が多いエリアは稼ぎにくくなった
運賃変更が反映されているエリアのなかでも「稼ぎにくくなった」と言われているのが、東京23区内で言うと世田谷区や板橋区など、いわゆるベッドタウンとされているエリアが該当します。
これらのエリアでは地元客の利用が多く、初乗り運賃が410円になったことにより、ちょっとしたお買い物や自宅から駅までの短距離利用「ちょい乗り」需要が高まっています。
運賃変更前の初乗り700円台の頃と比べて、客数は上がったとしても客単価が下がったことになります。
つまり、いかにして多くのお客様を乗せるかが稼ぐポイントになったと言えるのです。
都心部のタクシーは稼ぎやすくなった
千代田区や港区、中央区といった都心3区では、運賃変更後に非常に稼ぎやすくなったと言われています。
当サイトでも取り上げているように、都心3区は東京・丸の内のビル街で働く比較的裕福な会社員が都心部から郊外へのタクシー利用が多く、客単価も非常に高いという特徴があります。
今回の運賃変更では、2キロまでの利用は従来よりも値下げ、2キロから6.5キロまでは変更前と同額、6.5キロ以上で値上げになったという点が重要なポイントです。
つまり、長距離利用のお客様が多いエリアでは、むしろ運賃変更後のほうが稼ぎやすくなっており、運賃変更のメリットの恩恵を受けています。
時間帯とエリアで効率的に稼ぐ:まとめ
では、稼ぎやすくなったエリアを中心に営業すれば良いのかというと、一概には言えません。
どうしても都心部は競合が多くひしめいているため、タイミングを間違えばほとんど稼げないという場合もあります。
効率的に稼ぐためには、たとえば日中は病院や駅に向かう短距離利用のお客様を中心に、早朝や夜・深夜帯は自宅からオフィス、オフィスから自宅に向かう長距離のお客様を中心にピックアップするというように、時間帯とエリアを意識することが重要です。